記事 · データで見る

テントの耐水圧を183張並べたら、10,000mm以上はマイティドームだけでした

執筆者:モトフ·

1,500-3,000mm: 85%10,000mm02,0004,0006,0008,00010,000
1つの点が1張。耐水圧(フライ)を500mmごとに積んでいます。薄い帯が1,500〜3,000mm、オレンジの点がマイティドーム1・マイティドーム2(10,000mm以上)です。

テントの耐水圧は、何mmあれば安心なのか。比較室に載っている現行のテント196張のうち、メーカーが耐水圧を公表している183張を、同じ物差しに並べてみました。すると85%(156張)が1,500〜3,000mmの間に集まり、そこから1つだけ飛び抜けていたのが、モンベルのマイティドーム(10,000mm以上)でした。

結論を先に

  • 耐水圧は思ったより横並びです。183張の中央値は1,800mmで、85%が1,500〜3,000mmに入ります。
  • 飛び抜けているのはマイティドーム1・2の10,000mm以上だけ。次に高いのは3,000mmで、34張が並んでいます。

突出は10,000mm以上のマイティドーム

図の右端に離れて立っている2つの点が、マイティドーム1と2です。3,000mmから10,000mmのあいだには、1張も入っていません。

マイティドームとは?

モンベルの登山用テントで、1人用のマイティドーム1(総重量1.2kg)と、2人用のマイティドーム2(総重量1.4kg)があります。モンベルは用途として、無雪期と積雪期の登山、カヌーや自転車でのツーリングを挙げています。外側と内側を1枚の生地で兼ねる「シングルウォール」のテントです。

では、シングルウォールだから耐水圧が高いのでしょうか。比較室に載っているシングルウォールのテントは45張ありますが、10,000mm以上はマイティドームの2張だけで、ほかは150〜3,000mmでした。構造だけでは説明がつきません。

どんな素材?

10,000mm以上という数字の理由は、本体の生地にあります。マイティドームの本体には、モンベル独自の素材「ブリーズドライテック」の3レイヤーが使われています。表地は12デニールのナイロン・リップストップです。

モンベルの説明によると、ブリーズドライテックは、防水透湿性に加えて通気性を持たせた素材です。ポリウレタン膜の孔を細かく均一にすることで、雨水は通さずに空気や水蒸気は通すようにして、耐水圧と通気性を両立させています。生地の表面には、はっ水加工もされています(モンベル公式)。この独自素材によって10,000mm以上の耐水圧を実現しています。

一方で、床(フロア)は30デニールのナイロンで、耐水圧は1,500mmです。床まで特別に高いわけではありません(比較室に載っているテントの床の中央値は2,000mm)。

そもそも耐水圧って?

生地の上に1cm四方の筒を立てて水を入れたとき、どの高さまで水が染み出さずに耐えられるかを表す数字です。1,000mmなら、高さ1mの水に耐えるという意味になります(DOD JOURNAL)。

ただし、数字の書き方はメーカーでそろっていません。生地のいくつかの場所で測った平均を書くメーカーもあれば、DODのように「どこを測ってもこの数字以上」という最低値を書くメーカーもあります。比較室の数字はメーカーの公表値をそのまま並べたものなので、数百mmの差で順位を決めるものではありません。

10,000mmも必要?

キャンプで使うテントなら、そこまでは要らないと考えてよさそうです。DODの解説では、耐水圧1,500mmほどあれば強い雨にも対応できると一般に言われている、と紹介されています。また、耐水圧が高い生地ほど空気や湿気も通しにくく、結露しやすくなるとも説明されています(DOD JOURNAL)。

マイティドームの生地は、高い耐水圧と通気性の両立をうたっている点が、ふつうのテントの生地との違いです。ちなみにモンベルは、自社のレインウエアには耐水圧20,000mm以上の素材を使うとしています。マイティドームの生地は、ふつうのテントとレインウエアのあいだにある、と考えると分かりやすいかもしれません。

モンベルのほかのテントは?

モンベルのテントがみな10,000mm以上かというと、そうではありません。比較室に載っているモンベルのテントのうち、マイティドーム以外の12張は1,000〜1,500mmで、ほかのメーカーと同じ帯に入っています。

この記事の範囲と基準

  • 比較室に載っている現行のテント196張が対象です(廃盤・入手困難は除く)。
  • 数字はメーカーが公表しているフライ(外側の生地。シングルウォールは本体の生地)の耐水圧です。公表していない13張は図に入れていません。
  • 1,000mm未満の23張は、ほとんどがT/C(ポリコットン)素材です。T/Cは綿が水を含んで膨らむことで水を防ぐ素材で、耐水圧の数字では性能を表しにくいとされています。
  • 公表値と取得日は、各製品ページで原文とあわせて確認できます。

よくある質問

耐水圧を公表していないテントは、雨に弱いのですか?

そうとは限りません。公表していないテントの多くはT/C(ポリコットン)素材で、耐水圧の数字では性能を表しにくい素材です。数字が無いことは、雨に弱いという意味ではありません。

床(フロア)の耐水圧はどのくらいですか?

比較室で床の耐水圧を公表している160張の中央値は2,000mm、いちばん高いもので10,000mmです。マイティドームの床は1,500mmです。

出典